「結婚はゴールじゃないんですよ。結婚式でドレスを着るだけが結婚ではないんです。」
このセリフを聞いてあたしはいつも……
「そんなの当たり前すぎて笑っちゃう。
『結婚はゴールじゃない』って言う人の方が、
『結婚はゴールだ』って思ってるんじゃないの?」
なんて思ってしまうのだ。
まさに、「馬鹿って言った方が馬鹿!」の言い返しなんだけど。
それにしても、本当に『結婚=ゴール』という発想がサラサラないので、どうしてわざわざ『ゴール』という言葉を持ち出してくるのか、不思議でならない。
もちろん、結婚のことを「ゴールインした」と例えることは一般的だけど、それを真に受ける人なんているんだろうか?
もし本当に『結婚はゴール』と思っているのだとしたら、それこそ、誰と結婚したってかまわないだろうな。
金持ちだけど全く気の合わない男か、顔も性格も好みだけど生活力も経済力もない男か。結婚のその先の何十年かを見据えているからこそ、結婚できない女のレッテルをはがせないまま…今の彼氏でいいのか? この婚活相手で決めるのか? 悩んだり、はたまた、結婚しそうにない男を待ち続けたりするんだから、結婚が本当にゴールなら男を選別している時間がムダの無駄。ところで、あたしのように結婚願望が強い女は、世間一般では、甘い、夢見がちな人間と思われる傾向が強い。が、実際は現実的・堅実的な女が多いと考える。
なぜなら、早く自分の地盤をを固めたいと思う気持ちが結婚願望に繋がるからだ。
結婚&出産によって、女性の生活における目的は変わる。例えば仕事を例にあげると、
独身の場合、やりがいがあって収入が高い仕事であればいい。既婚の場合、収入は低くても、子どもの運動会などの行事や、熱を出した時に休めるような仕事がいいはず。自分がどっちの道で行くのか、早く決着をつけたいんだろうな……。
25歳で結婚&転職の場合、仕事にも生活にも慣れた30歳頃に出産。5年も働けばそれまでの実績を買われ(または良い人間関係が築けていると思うので)て育児休暇を取り、その後職場復帰。暖かく迎えられる。
対して30歳で結婚&転職の場合、転職時の面接で「妊娠の予定はありません」と嘘をつくも、やっぱり早く子どもが欲しいのですぐに妊娠。
入社したばっかりなのに妊娠かよ、と周囲に白い目で見られ、仕事もまだ出来ないのに産休を取りたいとも言い出せず、退社。
(または産休を取り職場復帰するも、慣れない人間関係、慣れない仕事、慣れない育児とでパンク→退社)
そんな先の先の先まで想像して、不安になって、面倒なことはさっさと片づけたいわ!と考えているのが、早く結婚したい女なのだ。夢見る夢子ではないよ。
とは言え…あたしは「早婚は偉い!晩婚は駄目!」ということが言いたいのではない。結局自分は、自分の意に反して、独身という自由な時間を満喫している。それはそれで楽しい人生だ。ただ一方で、結婚したいという気持ちも否定されたくない。同じ趣旨の文章を、既婚の人が書いたとしたら、「ケッ」って思う。
結婚はゴールじゃない。そんなのわかってる。