なんてこった! 結婚できない女子が後輩女子から結婚できない相談をされてしまっったのだ。
「付き合って長いけど彼氏がなかなか結婚の話をしてこない」
これが主訴……。
「私、このままじゃ結婚しないまま30歳になっちゃいますよ」って、なんだか自分に言われてる気がするのだが。あなたはまだ5年もあるでしょ! そうは言っても〝まだ若い〟と余裕の女でいると、この結婚不況のご時世、気がつけば「ひとりで生きていく」人生設計を始めている女になる確率は「低くない」
そんなことはさておき……
この後輩はとても努力家で心根の優しい子です。たぶん、この子と結婚したら必ず幸せになるでしょう。専業主婦にもってこいの良妻賢母になるに違いありません。
ただ、彼氏は天然男子系のノンビリタイプなので、よっぽどの転機が訪れなければ、自分から結婚すると言い出すのは難しそう。そんなわけで、なんとか力になりたいと考えたあたしは、後輩の彼氏が結婚する気になるような策をつらつらと考えてみた。
間接刺激法! 友達が結婚した話をしてみるとか? いやいや、これはかなりウザがられる。じゃ、結婚して幸せになったさわやかドラマのDVDをみせるとか。だめだ、結婚願望が平均以下の男が、ドラマ見たぐらいでビクともするもんか。
そうだ! ブライダルフェア行かない?と誘ってみるとか? これは断られたなぁ(経験アリ)
――そんなことを考えていたら、25歳の頃の自分にワープしていました。
あの頃の私は、(今でもそうですが)遠まわしなことが嫌いで、彼氏には思ったことをそのままストレートに喋っていた。
「結婚したい」は逆プロポーズ! それをモットーに交際相手にはしれっと口にしていました。最初は彼もそれを快く受け止めてくれていたのですが、どこをどう道を間違ったのか(たぶんストレートな性格が災いして)、段々とウザがられ、『結婚したい』って言うの禁句ね!思っても駄目!とまで言われるに至りました。
あんなに仲の良かった二人が、なぜこんなことに?
25歳のあの頃に戻った私は、一人布団の中で涙を流しました。
ちなみに、「『結婚したい』って思っちゃ駄目」は今でもトラウマのように心に残っている。女は待つという生き物。自分から結婚願望をアピールすることは恋愛においてNGだと無条件反射するようになってしまった。
子どもの頃に、七夕の短冊に「お嫁さんになりたい」って書いたことを思い出したりして。そんな小さな、誰もが思う夢を大人になってから否定されることになろうとは……。
だからでしょうか、結婚に対して、そして自分に対しても卑屈になってしまうのは…。
だから今、純粋に彼氏と結婚したいと思っている後輩を、とてもうらやましく思う。そう思えることが幸せなんだよね。
何せ私は結婚したいって思っちゃいけない人間ですから。後輩には、なんとかこのまま幸せなままでいてもらいたい。結婚に対して卑屈になる前に…。
結婚する気のない男を結婚する気にさせるにはどうしたらいいんだろう?
縁?運?タイミング?女はやっぱり待つしかないのか!?
女性の「結婚したい」は悪なのか? ではないはずだが、やはり女の役回りとしては結婚しようと言われる立場だろうからね。
女性から「結婚したい」と言うことは、NGではないが推奨もできない。
いつからなんだろう? 結婚したがる女性が〝需要のない女〟だとされ始めたのは。それはこの、結婚大不況の出現からではないか?
ともあれ…、男に結婚する気にさせるには男の独占欲を刺激するしかないという結論に達した。どんなに草食系男子であろうが、男という生理的区別がつく生き物である以上、根っこには男共通の独占欲ってものがあるはずだ。
グズグズしてると他の男にとられちゃうよ? なーんて窮地にさらしてやれば「僕と結婚してください!」を、とうとう言わせられるかもしれない。
視点を変えれば、ながく付き合った女がみじかく付き合った他の男とサッと結婚してしまった時の「取り残され感」の深い闇は男にとって人生最大のトラウマかもしれない。喪失感に女以上に弱いのが男という生き物なのだ。
喪失感に弱く独占欲が強い、男の本質。
そこをツンツンしてやれば、後輩女子の彼氏だって…めでたくプロポーズの言葉を考え始めるに違いない!