仕事に打ち込みすぎて恋愛には縁遠い毎日だという、某新聞社の記者25歳。
恋人なんて作ってる暇もなければ、当然、結婚なんていつの話やら・・・なんて、表向きには言ってる彼だが、実は結婚願望が強い男子だった。「そろそろ守るべき女性のために仕事がしたい」と、素敵なセリフを聞かされてポッと恥じらうあたしはやっぱりおバカだわ・・・・・・
ლ(⁰⊖⁰ლ)
25歳の記者男子も、あたしを試してみたいと思ったのかどうかそりゃ知らないが、なにせ仕事の後に銀座で待ち合わせしないかと誘われて・・・そして、試されてきた。
あたしは25歳の男をちょっとナメていた。
銀座で待ち合わせって大人ぶってるけど、連れて行かれるお店はどうせ‥ありがちな和風ダイニング系だろうと思ってた。
ところが、着いた店はなんの変哲もないビル。そして、狭苦しいエレベーターで7階に上がる。ドアが開くとそこには、小さいけれど、派手ではないけれど、でも、確実においしいだろうと思わせるビストロ。
銀座の町並みとはうってかわってモダン臭さは一切ない。出てくる料理もすべてがおいしい!すばらしいです記者さん。あんたどーしてこんな店しってるの? 意表を突くエスコートで、とても仕事バカとは思えないデートテクニシャンでござる。
ワイン1本をあけ、店を出るとフラフラと駅に向かう。ここからだと有楽町が近いはず。
でも、、
「東京駅から帰りませんか?」と言われて「…はい」と答えるメルヘンなあたし。
(♥→o←♥)
――日が変わり、記者さんからメールが届いた。
記者さん:「去年も初詣行ってないんですよ」
あたし :「じゃぁ、一緒にいきませんか? 東京だと、どこがいいんでしょうか?」
記者さん:「リサーチしておきます!!」
そして当日。
記者さん:「東京大神宮なんてどうですか?」
こっそり調べてみたところ…東京大神宮は恋の神様らしいです。
約束どおり、東京大神宮に行き、恋愛おみくじなどを買い、ふらふらと晴天のなか散歩なんぞし、銀座で映画を観て、そして、呑みに行った。帰りの駅はもちろん有楽町ではなく東京駅。
歩きながら考えた。そして思った。
あたしは記者さんのことが好きなのか?
この男性は運命の人なのか?
そんなことはまだわからないけれど、でもこの人と、どうしても手をつなぎたかった。
あたし:「あの…」
記者さん:「?」
あたし:「てっ、手を繋ぎませんか?」
そうですね、少し寒いですし。と、ニッコリ差し出されたその手は酔いがぶっ飛ぶほど優しかったのです。
25歳の新聞記者・・・とにかくいろんな一面をヒラヒラさせてくれる男性だった。仕事人間、型にはまらない銀座の歩き方、初詣にデートをかけてササッと恋の神様にエスコート・・・つかみどころがないのに、結婚願望は強くて「そろそろ守るべき女性のために仕事がしたい」と酔わせてくれる。
・・・・・いい男だ。
婚活に燃えているとつい、恋愛という面倒くさい作業をないがしろにしがちだ。
そもそも、そこが大事なところなのに、恋愛を曖昧にしてしまうと砂に建つ城のようにぐらついた結婚生活になるやもしれない。
記者さんとのデートで、恋することの大切さをあらためて感じてしまった。