婚活長期戦で歳ばかり食う･･･つまり結婚できない女子であるアタシは理想の結婚相手について語れる立場じゃないだろう。
だからって、結婚したい男の理想像に横を向くのは女を捨てることじゃないか。そんなわけで、アタシには理想の結婚相手としていくつかのポイントがあるのだ。
アタシは靴を愛して止まない。靴のはきこなしには、その人のセンスがあらわれる。
靴は脇役のようで実はそうでない、強力なファッションスパイスなのだ。
そんなアタシが男を見る時、必ず靴をチェックする。どんなにいいスーツを着ていても、
靴がへぼかったらその男はだめだ。磨かれていない靴なんて問題外。
靴には人柄とか生き様とかつまり、人となりがにじむものだ。
さて、堅い話は終わりにしつつ･･････
以前婚活相手のお部屋を訪問した際、玄関に彼の靴が2足ならんで置いてあった。
両方ともぴかぴかに磨かれていた。底も磨り減っていない。
――惚れ直した。
靴を大切にする男はオンナも大切にする。
ああ･･････アタシはやっぱりこの男と結婚したい。こんなに靴を大切にする男は、アタシの理想の結婚相手であり、一人の女をいつまでも大切にしてくれるいい男に違いない。
アタシの見る目に狂いは無かったのだ、と、心底思った。
理想の結婚相手というと、いくら以上の年収とか、医者と結婚したいとかの職業ばかりに目がいってしまう。
しかし、本当の理想の結婚相手とは年収や地位や職業ではなく〝人となり〟じゃないか？･･･なんてくそ真面目に考えてしまうのだった。――靴を大切にする男は女も大切にする。
理想の結婚相手はいつまでも自分を大切にしてくれる人だ。
だから、アタシの理想の結婚相手は靴を大切にする男となる。