あたしの恋愛歴には彼氏のプライドを傷つけてしまった過去がある。
男と女、プライドが高いのはどっちだろう？と、そんな恋愛心理に答えを出せるほどあたしは賢くない。けれどプライドを傷つけられる者とプライドを傷つける者のどちらの人間にもなりたくはないし、婚活中の女子である自分は、男のプライドを傷つけるような女なら･･･もうずっと結婚なんてできないだろうな。
相手を傷つけるなんて、価値観がどうのという以前の根本的なコミュニケーションスキルが欠落してる。でも･･･知らず知らずのうちに男のプライドを傷つけていた過去が私にはある。思い出したくはないけれど、あるキッカケで過去の自分の醜態を思い出してしまった。
――昨夜は年下君と飲んでいた。（2人きりじゃないけど…）
いわく･･･今年の夏からサーフィンを始めたんだそうな。で、今は楽しくて楽しくて仕方がないと無邪気に語る。シーズンオフの今も来夏の海を思えばワクワクがとまらないそうだ。仕事でも遊びでも、何かに夢中になってる男子はいい顔してるね！
サーフィンの話を聞いたその晩、昔好きだった男の夢を見た。4つ年上のカレはサーファーで、当時19歳の女子だったあたしは、ごはんも喉を通らないほどカレが大好きだった。と、ここまでは素敵な恋愛体験だったように聞こえる。でも違う･･･
あたしは、ココに書けないぐらいカレにひどいことをしてしまった。ただし〝ひどいこと〟というのはつまり、カレのプライドを根底からひっくり返すような･･･そしてグッサリとプライドを傷つけるような言動を指す。
当時･･･あたしはカレのプライドを世界中の誰よりも傷つけてしまったのだ･･･。しかも、彼氏がプライドの高い男だったわけでもない。ごく普通の人だったのに。
そうして、謝ることも出来ないまま音信不通になっていた。そんなカレに、あたしは夢の中で一生懸命あやまっていた。なんどもなんども頭を下げて･･････そして「もういいよ、怒ってないから」とカレが言ったところで目が覚めた。
ずっとずっと心にひっかかっていたものがスルリとほどけ落ちた気がした。昔、あたしがカレに対してやってしまったことがあまりにヒドすぎて、それを思い出したくないがために「もう2度と会いたくない」と思っていたけど･･･でも、やっぱりもういちど会いたいな･･････。もういちど会えるなら素直な気持ちで謝りたい･･････。
女って感情に支配されやすいから、ついつい平気で男を傷つけてしまうんだろうか？でもそれは、男のプライドを傷つける女の言い訳か･･･？
センチメンタルな夜が明けた今日、デジカメの写真を整理していたらハゲ頭の男の写真がでてきた。なんじゃろな？ と思いその前後の写真を見てみると、Aちゃんが酒瓶を抱えながら豪快に酔っぱらっている写真が…
Aちゃんは、べっぴんさんだ。美女で、オタクで、お酒が好きな大人女子。ほんとのお姉ちゃんよりも、あたしのお姉ちゃんっぽい。そんなやさしいお姉さんキャラAちゃんだが、ごくたまに壊れる人でもあるのだ。
その日、とあるハゲ男子が標的となってしまった。
その日のAちゃんは、しょっぱなから飛ばしていた。いい感じにお酒が回ってくると、なんとなくハゲネタになった。その場にいたT君（男・32歳）の頭をスマホで撮影しハゲっぷりを確認。そのときはまだいつもの優しいAちゃんで、「これならまだ全然だいじょうぶだよ?」と肩をポンポンたたきながらフォローしていた。
しかし何分か後、Aちゃんに悪魔がのりうつった。
「中途半端に残ってるから気になるんだよ！」
そう言うやいなや、テーブルに置いてあった小物をバリカンに見立ててT君の頭を刈る仕草を始めてしまった…
「こうやってスキンヘッドにしちゃえばハゲがわかんなくなるんだよー！キャハッ！」･･････あ、あ、悪魔だ。
女子はいつだって男のプライドを傷つける生き物だった･･･
そんなこと酔っぱらいAちゃんは覚えているはずもなく、こっそり胸にしまっておこうかと思ったけど、やっぱり面白いので書いてしまいました。ゴメンねAちゃん♪ああ･･･こういう話をおもしろいと思うあたしは優しくないね。
調子に乗って男をからかう女子って多いけど、そんなこっちゃ･･･いつまでたっても結婚できない女子のまんまだなあ。