いい男の自己完結型定義をあらためて婚活女子の心に刻んだ。
悪い例を引き合いに出して良い例を意識する。その思考にはすこーし後ろめたさを感じるものの‥正義を語るには必ず悪の存在が必要なことから証明されると同様に、いい男を語るにはいい男ではない男を引き合いに出す必要があったのだ･･････。で、いい男の定義をしっかりと持っていることがつまり、自分にとってのいい男を見分ける唯一無二の方法なのだ。
それというのも、見合い写真というものをはじめて見たからだ。――先週末、実家に帰ると親戚のおばさんが来ていた、見合い写真を片手に。
実はこの見合い写真、姉宛てに持ってきたらしいのだが、当の本人はその噂を早々と聞きつけトッとと逃げ出していた。となると、もちろんターゲットはあたしに。結婚できない女である時間が長引くほど、なんで結婚できないの？ 周りが詮索し始める時期ってある。あのこは放っておくといつまでも結婚できないだろうから何とかしてやらなきゃ！なんて、親戚のおせっかいの網にかかってしまうのだ。
――お見合い写真のお相手は老舗ウナギ屋の御曹子、35歳。おばさんいわく、お金持ちで、品が良くて、と〜ってもいい人なんだそうな。
そう言われると、ちょっと気になる。お顔拝見と、見合い写真をめくった。
するとそこには〝つるっとハゲ上がったウナギが1匹…〟「この人がダメなら次男も、三男もいるからね♪」うっひゃー！ウナギが3匹。おばさんに言わせると、ウナギさんはこれまで女性とフラフラ遊んだことのない生真面目な男性なんだそうだ。うむうむ･･･わかるわかる、お顔は〝人となり〟を表すんだろうか？いかにも、恋をしたことがない男子の顔をしていた。フラフラ遊んだことがないのじゃなくて、遊べないオトコなんだろう？
ところで、同僚の男のコが恋をした。
最近どうも機嫌がいいと思ったら、新入社員のマドンナに恋をしたらしい。おまけに何日か前にコクって、付き合うことになったらしい。
目はハートだし、彼の男子オーラがピンク色になっている。カレが歩いた後の道にハートマークがぽろぽろ落ちているのが、あたしには見える。カレの人生は今、バラ色だ。世界中のカレみたいな人のパワーを集めたら、新宿区の電力くらいまかなえるんじゃないだろか？ウナギ男ににルンルン男子･･･人生いろいろ男もいろいろ。結論、お見合い結婚だけはしたくない。婚活相手と素敵な恋を共有してからいい男と結婚したい。
さてここで「いい男」とは？なんぞや？と、自分ディスカッションを始めてみよう。
いい男の見分け方とはたったひとつ、コレに尽きる･･･女を自覚させてくれる男のことだ。
なので･･･いい男の見分け方は接していて女を自覚させてくれる男が、いい男なのである。つまり、いい男を見て見分けることは個人的に不可能だと思っている。
先日、いい男と飲んでいた。ドアを開けてくれたり、お会計をすませておいてくれたり。
そして、口説いているふうでもなく、お世辞を言ってるふうでもなく、相手のいいところを見つけて誉める。
男って単純な生き物だから、目的が態度や言葉に如実に出る。女は、あからさまの態度や言葉から目の前の男度をはかる訳だが、女に計られていることも知らずに単純行動を継続する男って、やっぱり･･･単純な生き物。
恋人でも、狙っているわけでもないだたの同僚に、良いところを見つけてほめてくれるなんて･･･それができる男はなかなかいない。おかげでとってもおいしいお酒が飲めた。
女は男を単純な生き物だと風刺するが、女だって男と同じで単純な生き物だ。そう、単純に自分が女であるとポッと感じさせてくれる人･･･それはいい男である。
いい男の条件に年収や地位や職業･･･嗜好にライフワークにファッションセンス･･･言い出せばキリが無いほど、見分け方にはいくつもの視点がある。
けれども、そういう断片的な評価基準は根っこの〝男〟がつくりあげる付加価値でしかない。一緒にいてさりげなく、そして常に、女として意識してくれる男ほど〝いい男〟はいない。
この先、結婚に成功したとしてもそこからが長い。婚活よりも結婚生活の方が人生的に長く重いライフイベントだ。結婚しても、いつまでもいつまでも女性として尊重してくれる男性と結婚したいと思う。
間違っても女を忘れてしまうような結婚生活にはしたくない。そんなことをしても、互いに幸せになれないのだと思う。
女を自覚させてくれる男、そんないい男と結婚したい･･･