結婚できない女って、男からのひと言に繊細だ。
婚活相手とのデートで、君はまあまあカワイイからそのうち彼氏もデキルよとガツンと喰らわされたあの日以来･･･
なんとなく婚活相手と距離をおいていた。婚活相手は社内の男である。
こっちから距離を置くのは、おそらくはフラれたであろう事実によって羞恥心に駆られたのであるが。
ところが今日、婚活相手があたしの席に来た。めずらしい。いや、ホントにめずらしい。パソコン操作について質問しに来たのだが、そんなことあたしに聞かなくったって他にもっと詳しい人がいるだろうに。
やっぱ恋愛において押したら引くは効き目大。男って単純でかわいいなぁ。
おっと･･･あたしに恋愛してる暇なんて無いのだ。婚活において押したら引くは効果的だと訂正しておこう。でも、結婚と恋は定義が違うけれど切っても切り離せない相関にあると思う。当たり前だけど、恋がうまくいけば幸せな結婚にもリンクする。結婚できない女が婚活システムで合理的に突っ走ろうとすると、案外、離婚リスクも高いのかも?婚活相手の彼は休日に料理をしながらオペラを聴いている。
一風変わっているといえばそうなる男だが、こういう男性こそ結婚すると味が出るんじゃないかと思わずにはいられない。
先日の休日、電話越しに夕飯のレシピを訊いてみた。
それはなんと金メダル級だった。
「今日のメーニューなぁに？」
「ネギマ鍋とね、あとはまぐりのマース煮。」
「あとは？」
「アボガドの酒盗あえと、だしやっこ。」
「あとは？」
「煮干しの素あげ。あと、しらすおろしとめかぶ」
「あっ、あとアスパラと油揚げのおひたし」
電話越しじゃなく、そこにあたしが居たならばなんて幸せなひととき！
料理の上手な男はそれだけで合格です。
社内で光るところがなくとも家に帰ればキラリと光る個性的なLifestyle。やはり私はいい男に惚れ込んだものだ。
結婚できない女も、いつの日かラブラブになり、二人で海外旅行なんぞに行く夢を見る。もちろん飛行機はファーストクラスね。ドンペリ飲みながら南の島へまっしぐら。青い海、青い空。手をつないで浜辺を走る二人。
キャハッ！ 結婚できない女の妄想って楽しーなー！
願わくば、まずは日本の地にて恋を育まん。