どうやらお見合いをススメられる、結婚できない女のタイプというのがあるらしい。
お見合いしてまで結婚を急ぐ年齢でもないのに、私を知る周りの人々がお見合いをススメる理由はこうだ。みんな、私が早く結婚したいことを知っている。
婚活していることも知っている。
でも良い話が浮上しないことも知られている。
だから結婚したくても結婚できない女子というレッテルはバチンと貼られているのだ。
あたしは早く結婚したくて婚活中の女子だけど、まだ若いから年齢的には結婚に有利だと思う。しかし恋愛というものは年齢ではなくヒューマニティーで左右される要素が大きいから、容姿も中身もだいたい普通の女子ならそのうち自然に結婚できると安心してると、気がつけば売り物にならない年齢になっている可能性がこわいのだ。
ふつう、若い女子なら婚活しなくても自然に恋愛をして結婚する機会が豊富にあるだろうから周りがとやかく言うことはないと思われることが多かろう。
そうそう私も、そういう見かけの女でいたかった。
けれど、私には早く結婚相手を見つけないとますますヤバいと思わせるオーラがあるようだ。だから、職場の中年男性社員からは“結婚したくてもできないかわいそうな女”というレッテルがはられている。
容姿や顔立ちが取り立てて崩れているわけでもない、しょっちゅう問題を起こす精神不安定な女子でもない。
普通と言えばごくごく普通の女子。
なのに「そのうち誰かと普通に自然に結婚していくだろう」とは周りに感じさせないなにか特別の印象があるのが私という女だそうだ。
その結果、私の結婚について客観的にコメントする機会には必ずと言って〝お見合いのススメ〟が先行する。
職場のみんなでランチを食べている最中もお見合いをススメられてしまった。
「早く結婚したいんでしょ？」
「ええ、まぁいつかは」（そんなこと誰が言った？）
「彼氏もできないんでしょ？」
「ええ、まぁ」（“作らない”んです…結婚できないんじゃないよ、結婚しないんですよ！）
「見合いとかしてみれば？」
そりゃどうもご親切に、悪いがあたしはそんなに男に困ってない……
其の昔、交際していたのは会社の上司。一回り以上年上の彼氏だが、彼はその歳で独身なので羽振りがいい。
私はデートに出かけるたびに戦利品を抱えて帰ってきた。
親と同居中だった私は、男に貢がせていることを悟られたくないので自分で買っていることにしている。でも、いくらなんでも一度に2つも3つもオレンジ色の紙袋を持って帰るとバレる。そういう時はひとつだけ見せて、残りは、時が来るまで押し入れに隠しておく。
でもあたし知ってるんだ。
ママが時々、部屋の押し入れチェックしてるのも、鏡の前でバックを合わせてみてるのも。私は結婚できないだけでモテない女ではないのだ。
だから男に困っているわけでもないよ。
と、反抗しつつ本音は…男には困っていないが結婚には焦っている、だからお見合いをススメられると妙に心得てしまう…。
ああ…やっぱり私は結婚できない女。
これまで、お見合いというとマイナスイメージしかもっていなかった。お見合いも婚活パーティーも、大きな意味では〝同じ〟なのに、お見合いのイメージは湿っぽくて女友達に隠れてコソコソの印象が強い。
一方で婚活パーティーに参加してきたと友達に話すことはカラリと楽しい印象だ。
お見合いも婚活パーティーも似たようなものなのに…つまりこうだ。
私は結婚のプロセスまで体裁を気にしている女なのだろうね(;´Д`)
結婚できない女に限って、やれお見合いはイヤだの、やれ婚活パーティーなんてふらちな場所には行けないだの…文句が多い。
適正年齢で結婚できることを主観だけでかたくなに信じていると、やがて結婚適齢期をグングン通り過ぎてゆく。ああ…やっぱり私は結婚できない女。
自然な恋愛で自然に…結婚できない女として歳をかさねてゆくだけなのであれば、客観の意見を大事にお見合いのススメを受け入れようかしらんと思う今日この頃であった。